Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうごのさつじん
正午の殺人
Lesen Sie 正午の殺人 (しょうごのさつじん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.888 Zeichen · 28 Bildschirme
ところが文作はうっかり社会部の連中に久子のことを口走ったために、大そうハンモンすることになってしまった。なぜなら、彼の社の新聞は翌日の紙面に久子をほぼ確実な容疑者として大胆に報じているからであった。
『当日午前十一時三十五分駅着の電車で降りたわが社の矢部文作記者は、同じ電車できた安川久子が坂の登り口で大きなハンドバッグの中をのぞいて何か思いつめた様子で考えこんでいるのを見出して話しかけた。
「神田さんへいらッしゃるのですか」
「ええ」
「一しょに参りましょう」
「おかまいなく」
彼女は冷く答えた。そして、そこからわずかに三分の道を十五分もおくれて到着した久子はアケミにむかえられ突きつめた顔で広間を横切り居間へみちびかれた。十五分ひく三分、十二分の間、彼女は何をしていたのであろうか』
これを読んだ文作は新聞を握りしめ殴り込みの勢いで社会部のデスクに突めよった。
「ハンドバッグを胸にだいてボンヤリ立ち止っていたと云ったんだ。中をあけて思いつめてのぞいてたなんて云いやしないよ」
「素人は黙ってろ」
「よせやい。オレだって昔は三年も社会部のメシを食ってるんだ。十五ひく三の十二分で神田先生が殺せるかてんだ。