Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうごのさつじん
正午の殺人
Lesen Sie 正午の殺人 (しょうごのさつじん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.888 Zeichen · 28 Bildschirme
正午カッキリまで先生が生きてたことはオレが証明できるんだ」
「その十二分間に彼女が殺したとは誰も云ってやしないよ。彼女は何をしていたかてんだ――どうだい」
「十二分ぐらいは何をしても過ぎちまわア」
「坂の下にパチンコ屋も喫茶店もなくてもかい。畑だけしかないところで、十二分間も何をして過す」
「よーし。オレがいまに彼女の無罪を証明するから、待ってやがれ。ついでに犯人も突きとめてみせるから」
彼はムカッ腹をたてて外へとびだした。まず冷静第一と各社の記事を読みくらべてみると、各社とも久子に不利な見解らしく、自殺とすれば久子が電話に立った間。他殺なら犯人は久子。なぜなら、隣室のピストルの音がきこえなかったということは信じられないから、というのが各社だいたいの狙いであるらしい。某紙に至ってはすでに久子を犯人に仕立て、裸体の神田が彼女に襲いかかろうとしたから、かねてそれを予期していた久子は用意のピストルをとりだして神田を射ったときめこんでいる。
「バカバカしい。あの楚々たる美女にそんな器用なことができるものか。洋装にはシミ一ツ、乱れ一ツなかったそうじゃないか。唐手の達人神田兵太郎の襲撃をうけて、そんな器用な応対ができるのは女猿飛佐助ぐらいのものだ」