Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぶしゅうこうひわ

武州公秘話

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.572 Zeichen · 209 Bildschirme

Aozora Bunko

もし少しでも動いたら、その時こそ手討ちに致す」

と、河内介は前以て彼に宣告を下した。そして女共に向っても、

「よいか、そなた達もほんとうに死人の首のように扱うんだぞ。決して道阿弥が生きていると思ってはならんぞ」

と、厳しく云い渡した。それから三人の女を選んで、首を洗う役と、化粧をする役と、札を附ける役とを、それ/″\受け持たせた。

半や、盥や、首板や、机や、香炉や、屋根裏の場面の再現のために必要な小道具類が揃えられると、気の毒な道阿弥は肩から以下を床下に埋めて、寂然たる一箇の首と化した。その死顔の表情は中々巧みなものであったが、平素のおどけた人柄を考えると、それが巧みであればある程、却って彼の迷惑さ加減が推し測られて、滑稽に見えないでもなかった。腰元共は、あのおしゃべりの、軽口屋のお茶坊主が、唯もう命が惜しいばかりに斯うして歯を食いしばっているのだと思うと、可哀そうであるよりも、何かいたずらをして嚏でもさせてやりたいような気持になった。しかし道阿弥の此の時の苦痛は、全く本人の身にとって笑いごとではなかったのである。「自分は無念の形相をたゝへて瞳を一点に凝らしたまゝ、眼瞼を細目に開けてゐたが、口に唾液がたまつても呑み込むこともならず、鼻の孔がむづがゆくなつても、顔を顰める訳に行かず、殊に何よりも辛かつたのは眼瞬き