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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶしゅうこうひわ

武州公秘話

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.572 Zeichen · 209 Bildschirme

Aozora Bunko

永井君の作品では、「榎物語」が、そういう意味で逸品であると私は思う。

鼻については、芥川君の小説も思出されたが、それよりも、ゴーゴリの「鼻」が思出された。理髪師によって削取られた或男の鼻が、官吏の礼服を着けていろんな所に出没するという、甚だ巫山戯た小説であるが、そこにシリアスな人生観察が宿っていそうに推察される。手が無くっても、足が無くっても、或は目が無くっても、人間はまだしも忍び得られるのだが、さして必要のなさそうな鼻が無くっては最も汚辱を感じるのだ。鼻の無いほど人間を醜悪にし滑稽にするものはない。「鼻の缺けた首」は醜悪滑稽の象徴である。自分の魂を「鼻の缺けた首」としてしまって、美女と二人きりで甘美な夢の国に遊びたいという武州公の願望は、これを解釈すると、善も美も道徳も、気取りもお体裁も、すべての常套的束縛を脱却し、第三者の目には「鼻の缺けた首」同様、醜とも滑稽とも見えることを、顧慮しないで、思う存分に生を楽みたいことを意味しているのだ。美女美男のお上品な愛撫ではまだ物足りない。自分が醜悪滑稽の底をつくして、美女の愛撫を受けることを妄想して舌なめずりする男性の気持が「鼻の缺けた首」