Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.572 Zeichen · 209 Bildschirme
と云っている。が、ちょっとコジツケの理窟のようで、果して此の筆者が本心からそう信じていたか、疑わしい点がないでもない。邪推をすれば、此の尼にも孤独生活から来る生理的不満があって、そのやるせなさを慰めるためにこんなものを書いたのかとも思われる。
図
「道阿弥話」の筆者の方は、全くその動機を記してないが、これは明かに「恐ろしい殿の行状」と、その人に仕えた己れの稀有な経験とを長く忘れることが出来ず、思えば思うほど不思議な気がして、止むに止まれないで書いたものに違いない。妙覚尼が武州公を佛菩薩の化身だと云い、へんに有難がった解釈をしているのに反し、道阿弥は可なりハッキリと主人公の心理を掴んでいたらしく、従って又相当に公の信任を得ていたらしく想像される。なぜなら公はとき/″\此の道阿弥に内部生活の苦悶を打ち明け、自分の少年時代からの性慾史を語ったりして、同情と理解とを求めているからである。思うに道阿弥は多少とも幇間的性質の男であって、生来幾分か公と同様の傾向があったか、或は公の歓心を買わんがために殊更にそう装ったか、装っているうちに次第に公の感化を受けて本当にそうなってしまったかであろう。