Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.572 Zeichen · 209 Bildschirme
もし甲冑を帯していなかったら、今少し体つきの工合なども分るのであろうが、惜しい哉此の服装ではたゞ顔だけしか見ることが出来ない。戦国時代の英雄の絵像にはこう云う風に全身を甲冑で固めたものがしば/\ある。歴史図鑑などによく載っている本多平八郎の像、榊原康政の像など、皆これに似たもので、いかにも威風凜々としていかめしそうに見えるけれども、同時に殊更肩を怒らしてシャチコ張っているような窮屈な感じがしないでもない。
図
歴史の上では、輝勝の死んだのは四十三歳となっているが、此の肖像はそれよりも若く、三十五六歳から四十歳ぐらいの年輩に見受けられる。容貌の印象は頬が豊かに、頤の骨が四角に突き出で、決して醜男ではないけれども、顔の割り合いに目鼻口の造作が総べて大きく、いかにも沈毅英邁な豪傑の相たるに背かない。就中丸く大きく見開かれ、前方を睨んでいる瞳は、兜の眉庇とすれ/\になっているために一層険しく烱々と輝やき、鼻の上方、両眼の迫る間に、もう一つ小さな鼻があるかのように肉が隆起して、横さまに太い一線の皺を刻んでいる。その外小鼻の両側から口辺へかけても太い皺があり、それが何か苦いものを舐めたような気むずかしい表情に見え、鼻の下と、頤の先とに、バラバラと数えられる程の疎がある。