Japanische Klassiker mit Furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Lesen Sie 武蔵野 (わすれえぬひとびと) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.018 Zeichen · 192 Bildschirme
僕の足音を聞いて娘はふとこの方へ向いたが、僕を見てにっこり笑った。続いて先生も僕を見たがいつもの通りこわい顔をして見せて持っていた書を懐へ入れてしまった。
そのころ僕は学校の餓鬼大将だけにすこぶる生意気で、少年のくせに大沢先生のいばるのが癪にさわってならない。いつか一度はあの頑固爺をへこましてくりょうと猪古才なことを考えていた。そこで、
『先生今読んでおられたのは何の本でございます』とこう訊ねた。
『何でもよいわ、お前またそれを聞いて何にする』と、力を込めた低い声で圧しつけるように問い返した。
『僕は孟子が好きですからそれでお訊ねしたのでございます』と、急所を突いた。この老先生がかねて孟子を攻撃して四書の中でもこれだけは決してわが家に入れないと高言していることを僕は知っていたゆえ、意地わるくここへ論難の口火をつけたのである。
『フーンお前は孟子が好きか。』『ハイ僕は非常に好きでございます。』『だれに習った、だれがお前に孟子を教えた。』『父が教えてくれました。』『そうかお前はばかな親を持ったのう。』『なぜです、失敬じゃアありませんか他人の親をむやみにばかなんて!』