Japanische Klassiker mit Furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Lesen Sie 武蔵野 (わすれえぬひとびと) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.018 Zeichen · 192 Bildschirme
もうという次第しかるに妻はまた『母さまそれは「母の務め」の何枚目に書いてありました』などとまぜ返しを申し候ことなり、いよいよ母上はやっきとなりたもうて『お前はカラ旧癖だから困る』と答えられ候、『世は逆さまになりかけた』と祖父様大笑いいたされ候も無理ならぬ事にござ候
先日貞夫少々風邪の気ありし時、母上目を丸くし
『小児が六歳までの間に死にます数は実におびただしいものでワッペウ氏の表には平均百人の中十五人三分と記してござります』
と講義録の口調そっくりで申され候間、小生も思わずふきだし候、天保生まれの女の口からワッペウなどいう外国人の名前を一種変てこりんな発音にて聞かされ候ことゆえそのおかしさまた格別なりしかば、ついに『ワッペウさん』の尊号を母上に奉ることと相成り候、祖父様の貞夫をあやしたもう時にも
『ワッピョーワッピョー鳩ッぽッぽウ』
と調子を取られ候くらい、母上もまたあえて自らワッペウ氏をもって任じおられ候、天保できの女ワッペウと明治生まれの旧弊人との育児的衝突と来ては実に珍無類の滑稽にて、一家常に笑声多く、笑う門には福来たるの諺で行けば、おいおいと百千万両何のその、岩崎三井にも少々融通してやる