Japanische Klassiker mit Furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Lesen Sie 武蔵野 (わすれえぬひとびと) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.018 Zeichen · 192 Bildschirme
命に代えて父の罪を償いわが祖先の名を高め候わんことを返すがえすも頼み上げ候
せめて士官ならばとの今日のお手紙の文句は未練に候ぞ大将とて兵卒とて大君の為国の為に捧げ候命に二はこれなく候かかる心得にては真の忠義思いもよらず候兄はそなたが上をうらやみせめて軍夫に加わりてもと明け暮れ申しおり候ここをくみ候わば一兵士ながらもそなたの幸いはいかばかりならんまた申すまでもなけれど上長の命令を堅く守り同列の方々とは親しく交わり艱難を互いにたすけ合い心を一にして大君の御為御励みのほどひとえに祈り上げ候
以上は母が今わの際の遺言と心得候て必ず必ず女々しき挙動あるべからず候
なお細々のことは嫂かき添え申すべく候
右認め候て後母様の仰せにて仏壇に燈ささげ候えば私が手に扶けられて母様は床の上にすわりたまいこの遺言父の霊にも告げてはと読み上げたもう御声悲しく一句読みては涙ぬぐい一句読みてはむせびたもう御ありさまの痛ましさ……」
水野が堪え堪えし涙ここに至りて玉のごとく手紙の上に落ちたのを見て、聴く方でもじっと怺えていたのが、あだかも電気に打たれたかのように、一斉に飛び立ったが感極まってだれも一語を発し得ない。