Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Lesen Sie 武蔵野 (わすれえぬひとびと) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.018 Zeichen · 192 Bildschirme
お花は叔父のために『君が代』を唱うことに定まり、源造は叔父さんが先生になるというので学校に行ってもこの二、三日は鼻が高い。勇は何で皆が騒ぐのか少しも知らない。
そこでその夜、豊吉は片山の道場へ明日の準備のしのこりをかたづけにいって、帰路、突然方向を変えて大川の辺へ出たのであった。「髯」の墓に豊吉は腰をかけて月を仰いだ。「髯」は今の豊吉を知らない、豊吉は昔の「髯」の予言を知らない。
豊吉は大川の流れを見下ろしてわが故郷の景色をしばし見とれていた、しばらくしてほっと嘆息をした、さもさもがっかりしたらしく。
実にそうである、豊吉の精根は枯れていたのである。かれは今、堪ゆべからざる疲労を感じた。私塾の設立! かれはこの言葉のうち、何らの弾力あるものを感じなくなった。
山河月色、昔のままである。昔の知人の幾人かはこの墓地に眠っている。豊吉はこの時つくづくわが生涯の流れももはや限りなき大海近く流れ来たのを感じた。われとわが亡友との間、半透明の膜一重なるを感じた。
そうでない、ただかれは疲れはてた。一杯の水を求めるほどの気もなくなった。
豊吉は静かに立ち上がって河の岸に下りた。