Japanische Klassiker mit Furigana
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さいじきしんちゅう
歳時記新註
寺田 寅彦
Lesen Sie 歳時記新註 (さいじきしんちゅう) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.875 Zeichen · 10 Bildschirme
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二
一葉
『淮南子』には一葉落而知天下秋とあるが、植物学者に聞いてみると、木の葉が夏過ぎて落ち散るのは葉柄の根元の処にコルク質の薄い層が出来てそこだけ脆くなるから少しの風にでも誘われて天下の秋を示すものだそうだ。またある人の話によると、落葉樹の葉の中で遅く発育したのがまだ十分成熟しないうちに早い霜に痛んでしまうと、それきり発育が止まって、コルク質の出来る間がなく、梢に枯れたまま淋しい趣を見せるという事である。(明治四十一年九月十三日『東京朝日新聞』)
三
露
夜地上の草木土石が冷えて空気よりも冷たくなると、空気中の湿気が持ち切れなくなって露と結ぶ。地面は昼間温かい太陽に向って九千三百万マイルの彼方から来る光熱を浴びているが、夜になると冷たい死灰のような宇宙の果に向き変ってしまう。すると昼間せっかく太陽から貰った温熱の大部分は人の知らぬ間に音もなく地面から抜け出して虚空へ逃げて行く。一秒時間に十八万六千マイルという驚くべき速度で逃げ出すと、もう未来永劫再び我が地球へは帰って来ぬ。良く晴れた夜には地面は赤裸で天体の寒さに曝されるようなものだから余計によく冷える。