Japanische Klassiker mit Furigana
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さいじきしんちゅう
歳時記新註
寺田 寅彦
Lesen Sie 歳時記新註 (さいじきしんちゅう) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.875 Zeichen · 10 Bildschirme
こんな晩には露が多い。しかし雲があれば丁度地面に着物を着せたようなわけで熱の放散が少ない、それだから露が少ない。また風があると地面の冷えようとするのを始終空気が撫でて行くから空気よりも著しく冷える間がない。それだから風のない雲のないそして湿気の多い晩に露が多い訳である。また物によって熱の逃げやすいものと逃げにくいものとある。草木の葉や土、石、藁のようなものは冷えやすいから露も多くつくが、光った金属例えば金盥などは冷えにくいから露も付きにくい。熱帯地方では露の夥しく降る処がある。アフリカのコンゴー河口に近い海岸で一夜に降る露の量は地面を一分ほどの深さに蔽うに足るという。(明治四十一年九月十七日『東京朝日新聞』)
四
鳩吹
古書には「鳩をとるとて手を合せて鳩の声のようにふきならすなり」とある。丁度フラスコの口に斜めに呼気を吹き付ける時に出る音と同じ訳で、両掌の間の空洞内の空気が振動して音を出すのである。この種類のものではその音の調子は空洞が狭くて口の穴の広いほど高くなる。唸り独楽の音なども同じような例である。また栗の実に小さい穴を穿って中実を掘出し穴から長い糸を出しその糸の端をもって栗の殼を烈しく振り廻すと音を出すがあれも同理である。