Japanische Klassiker mit Furigana
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したいをくうがくせい
死体を喫う学生
田中 貢太郎
Lesen Sie 死体を喫う学生 (したいをくうがくせい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.698 Zeichen · 4 Bildschirme
Mはますます面白くなったので、堤を越えて墓場へおりた。
墓場には学生の姿は見えなかった。しかし、墓場以外に往ったと思われないので、Mは石碑と石碑の間を探して歩いたが、どうしても見つからなかった。三十分近くも彼方此方してへとへとになったので、一つの大きな石碑の傍へ立って足を休めながら、見るともなしにひょいと前の方を見た。と一間くらいの処に地を掘りかえしたような処が見えた。Mはそこでこれは葬式をするために掘りかえしたものか、それとも掘った址かと思った。その瞬間掘りかえした土の盛りあがりの傍に蹲っている怪しい物を見つけた。怪しいものは学生であった。学生は微明るい霧の中に顔を見せた。其の学生の口の周囲には、微赤いどろどろした物が附いていて、それがために口が耳の根まで裂けているように見えた。
「わ」
Mは夢中になって走った。石碑に躓き石碑を倒した。そして、やっと寄宿舎へ帰って、寄宿舎の扉にぶっつかりながら、
「開けてくれ、開けてくれ」
と大声で喚きたてたので、寄宿生たちが驚いで起きて来た。Mは舌が硬ばって事情を話すこともできないので、そのまま己の部屋へ往って寝たが、睡れるはずがない。