Japanische Klassiker mit Furigana
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ししゃのけんり
死者の権利
浜尾 四郎
Lesen Sie 死者の権利 (ししゃのけんり) von 浜尾 四郎 (はまおしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.854 Zeichen · 61 Bildschirme
彼女としては当然ですが、その時の態度はまるっきり淫売同然で、恋だの愛だのを少しでも捧げた男に対する様子はありませんでした。
こうやって一時間ほどの間、小夜子は泣いたりおどかしたりいろんなまねをやりました。私はとにかくこっちからことを破っては損ですから、出来るだけ穏かにすますようすかしたり、説き付けたりしたのでした。
私はあくまで千円以上の金は出せない、半分は今でもやるから俺のやった手紙を出せ、と申したのです。
ところが兎に角五百円は貰っておくからといいますので、袋に入れたまま五百円を渡して、手紙を渡せと申しますと、今は無い、と答えます。それでは約束が違うじゃないか、というわけで烈しい争論になりました。すると彼女はしまいに目の色をかえて、お前のような青二才に馬鹿にされてたまるものか、何もかもどうでもなっちまえ。もうこうなったら殺しちまう! と叫びながら側にあったウイスキーの壜をとって打ってかかりました。私は驚いてその腕を押えたので烈しい喧嘩になったのです。
いいえ、脅かしではありません。私はほんとうに小夜子が私を殺す気だったと信じます。その時もむろんそう信じました。