Japanische Klassiker mit Furigana
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ざんせつのげんぞう
残雪の幻像
中村 清太郎
Lesen Sie 残雪の幻像 (ざんせつのげんぞう) von 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.801 Zeichen · 10 Bildschirme
四 爺ガ岳の種蒔爺さん
もしこれが堆石堤なら、雪形の中でも甚だ数少ない一例になろう。出現の時期は、私の見たのは代馬とほとんど同時であったから、ほぼ似たものと思う。望見範囲も代馬と大同小異だが、南に寄っているだけ、神城村に近いほうが明瞭になるわけである。
四 爺ガ岳の種蒔爺さん
種蒔爺さんといえば、誰でも爺ガ岳のと思うほど、一番古くから知られているのはこれだ。明治の末年に山友故辻本満丸博士が、爺ガ岳の記録登山をされた頃、土地の農民について熱心に調査され、『山岳』に紹介されたので、登山界にも比較的早くから知られたのである。出る場所は、爺ガ岳の頂上から少し西に下った東南向き斜面で、幻像はやはり雪の地に黒く現われ、菅笠を冠り、手を拡げた立ち姿で、まず正面向きに近い。そして足元に苗代が出るのが特徴となっている。
この山が安曇平野に出張った形なので、観望の範囲も東南の方向にだいぶ広く、大町や池田の町を含んで、あの辺では一般に誰知らぬ人もないと言っていい位だ。時期はやはり八十八夜(五月初め)前後、無論年によって多少のズレがある。そして一と月ぐらいのあいだは、少しずつ形を変えながら、続いて出ているようだ。