Japanische Klassiker mit Furigana
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さつじんめいろ
殺人迷路
佐左木 俊郎
Lesen Sie 殺人迷路 (さつじんめいろ) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.774 Zeichen · 8 Bildschirme
「誰なんだ、その女は?」
たまらなくなって、二木検事は先を急いだ。
「浦部俊子」
「浦部俊子? あ、あの――馬鹿な。あの女性は君、死んでいるんだよ。君、君ァ、すこしどうかしていないか。それとも浦部伝右衛門の娘の浦部俊子とは別の――とでも云うのかね」
「なんの、なんの。山川牧太郎に五万円かたられた浦部伝右衛門の娘の浦部俊子さ。成程、あの五万円は浦部伝右衛門の財産の殆んど全部だった。そして、そのために、俊子の縁談がこわれてしまって、彼女は房州の海岸で投身自殺をしてしまった。そのために伝右衛門は発狂して松沢村の癲狂院に送られてしまった。それにも拘わらず、僕は銀座裏のカフェで浦部俊子に会ったんだ。この言葉が何を意味するか、物おぼえのいい君にわからない筈はないと思うんだが」
「うむ、そうか。わかった、わかった。浦部俊子に一人の妹があった。あの娘が順調に生長していれば、丁度二十歳前後、――当時の俊子と同じくらいの年恰好になる」
「そうだ、そうだ。しかも、その顔かたちが、俊子と瓜二つに生長しているんだ。切抜帳の俊子の写真とそっくりなんだ」
「すると、つまり、今度の宮部京子事件は、山川牧太郎に対する復讐なのか?」