Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さつじんめいろ

殺人迷路

甲賀 三郎

Lesen Sie 殺人迷路 (さつじんめいろ) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.806 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんな馬鹿な」

津村が茫然と考え込んでいる耳許に、村井の嘲るような声が響いた。

「厳然たる指紋の一致をどうするんだ。星田の指紋と、山川牧太郎の指紋、犯罪現場にあった指紋、みんな一致するんだ。なるほど、靴位なら、同じような型をつける事も出来よう。だが、指紋はまさかゴム印でベタベタ押す訳にも行くまい」

津村は落胆しながらうなずいた。そうだった。星田と山川牧太郎の指紋は確実に一致している。星田を庇いたいばかりに、真弓の言葉を真に受けかかったが、真弓は今はひどく頭が混乱しているのだ。その為に、こんな辻褄の合わない事を云い出したのだろう。

「そうだ。真弓さん、あなたは思い違いをしている。指紋が――」

「いいえ、思い違いなんかしておりません。星田さんは断じて山川牧太郎ではありません」

真弓の言葉は自信に充ちているようだった。一体彼女は指紋の一致と云う厳然たる科学的裁断を、どうして覆そうと云うのだろうか。

指紋の一致

村井はもう真弓の言葉などには耳を借さないと云う風だった。だが、津村は未だいくらか望みを持っていた。従って、真弓に質問を続けたのは村井でなくて津村だった。