Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きまぐれのにんぎょうし

気まぐれの人形師

小川 未明

Lesen Sie 気まぐれの人形師 (きまぐれのにんぎょうし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.963 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

と、叔母さんはいわれました。

二、三日たつと、叔母さんは、二つの人形に着物を造って持ってこられました。一つのは、赤い色の勝ったちりめんで、一つのは紫色がかったメリンスで縫われていました。

「ちりめんがこれだけしかなかったの。だから、しあわせのお人形さんに着せて、こちらのはメリンスにしておいたのよ。またこんど、いい布があったときに、不しあわせのお人形さんに、着物を造ってあげましょうね。」と、叔母さんはいわれました。

二つ人形を並べておくと、赤いちりめんの着物を着たほうがお嬢さまに見えて、紫のメリンスの着物を着たほうがなんとなく、腰元のように見られたのでした。

また、しばらく日数がたって、ある夜のことでありました。近所の知った家の小母さんが、子供を連れて遊びにこられました。帰る時分に子供は娘の人形をしっかりつかんでいて離しませんでした。

「これは、お姉ちゃんの大事な人形さんだから、坊が持ってゆくのでないの。」と、小母さんが、いくらいっても、子供は手から人形を離しませんでした。

「いいの、小母さん、貸してあげますから、持っていらっしゃっていいの。」と、娘はいいました。