Japanische Klassiker mit Furigana
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すいちゅうのきゅうでん
水中の宮殿
野村 胡堂
Lesen Sie 水中の宮殿 (すいちゅうのきゅうでん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.533 Zeichen · 52 Bildschirme
幸い毒瓦斯発生器は不完全で、よく瓦斯が出なかった為に、唐崎荘之介と秘書は辛くも息だけは通っている様子です。
健一と綾子と燿子は、引摺るようにして二人の男を隧道の外へ出しました。
夜の新鮮な空気に当てて、少し介抱すると、幸い正気だけはついたので、見張の人夫に引っ担がせて、兎に角小屋まで運んで来たのは、もう十時近かったでしょう。
「いや、翠川君一言も無い、君の義勇と、お嬢さん方の智恵が働かなければ、僕も杉村君も、あのまま死ぬところだった」
唐崎荘之介は、ベッドの上からピョコリとお辞儀をしました、こうなると、古風な頬髭もまことにだらしがありません。
「毒瓦斯発生器は誰が持ち込んだんです」と健一。
「それは判らぬ、――いや俺には判っているような気がするが、証拠が無いから言うわけには行かぬ」
「誰です、それは」
「いずれ話す機会もあろう、――ところで、命の恩はどうして報いたものだろう翠川君」
「この発掘事業から手を引いて下さい、万一利益があれば、それは出資高に応じて分けて上げますから」
「それは何でもないことだ、私の出資高と言うのは、――今だから話すが、ほんの少しばかりだ」