Japanische Klassiker mit Furigana
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すいちゅうのきゅうでん
水中の宮殿
野村 胡堂
Lesen Sie 水中の宮殿 (すいちゅうのきゅうでん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.533 Zeichen · 52 Bildschirme
「それもあるけれど、もっともっと大変な事なの。綾子さんから、お父様――立花博士――のお仕事……平泉館発掘の事を詳しく聞かして頂こうかと思うの」
「大変な事になったネ」
健一と燿子と綾子は、蔦を這わせたヴェランダの涼風に吹かれながら、籐の椅子を近々と寄せました。
「――知ってらっしゃるでしょう、お父様(立花博士)は、詐欺師だの、泥棒だのと言われて、未決に収監中亡くなったけれど、決して、そんな事をなさる方じゃないの。あれは運が悪かったのと、誰とも知れない、悪い人にだまされたんだワ」
「…………」
綾子は心せわしく語り始めました。
その話というのはこうでした。――綾子の父の立花博士は有名な歴史家で、特に平泉の史跡に興味を持って調べているうち、大変な事を発見してしまったのです。
これは、日本歴史に詳しく載っておりますが、鎮守府将軍藤原清衡が、奥州の豊田館から平泉に館を築いて移ったのは堀河天皇の御宇で、今から凡そ八百四十年前、それから基衡、秀衡、泰衡と四代、平泉館に住んで、奥州一円に号令していたのでした。
その間に戦争があったり牛若丸が秀衡を訪ねて来たり、いろいろの事件がありましたが、兎に角、一時平泉は鎌倉にも劣らぬ繁昌で、藤原一家の勢力は、清盛や頼朝でもどうすることも出来ない有様だった事もあります。