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Japanische Klassiker mit Furigana

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし林之助は、もっと深い意味でこれを考えさせられた。あの以来、ぼんやりするほど思いつめているお里を、自分はどう処分しようと考えているのか。彼は我ながらぞっとするほどに自分の酷たらしい心を恐れた。

「里ちゃんの家は都合がいいのかね」と、彼は知れ切ったようなことを訊いてみた。

お染も知れ切った事をいうような顔をして、すぐ打ち消すように答えた。

「どうでこういうところへ来ているくらいですもの、都合のいいことがあるもんですか。ほかに頼りになるほどの親類もないそうですから。阿母さんの病気が長引くようなら勿論のこと、今すぐに死なれても第一にお葬式にも困るくらいでしょうと思うんですよ。ここのおかみさんも幾らか面倒をみてくれるでしょうし、あたし達もまあ、ちっとでも何とかしてやりたいと思っているんです」

聞けば聞くほど林之助の胸は痛くなった。彼は飲んだ茶を吐き出したくなった。

弥太郎もよほど気の毒になったのと、一つはお染に対する見得もまじっているらしく、幾らかの銀を紙に包んで、お前の行くついでにこれをお里にやってくれと出した。林之助も見ていられなくなって、彼も紙に包んだものをお染の手へ渡した。