Japanische Klassiker mit Furigana
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えどげいじゅつろん
江戸芸術論
永井 荷風
Lesen Sie 江戸芸術論 (えどげいじゅつろん) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.130 Zeichen · 167 Bildschirme
国芳が写生の手腕は葛飾北斎と並んで決して遜色あるものにあらず。「東都名所」と題する山水画中の人物の姿勢、あるひは「生写百面相」と題する小冊子の顔面の表情よくこれを証して余りあり。国芳は最初国貞と共に役者似顔を描きしが世評よろしからざりしかば、筆を『水滸伝』の人物その他の方面に転じたりといへども、今日の批評眼を以てこれを見ればこは彼に取りてはかへつて幸福なりしなり。国貞の画題は殆ど役者と美人との外に出でざれど、国芳に至りては山水花鳥武者並びに美人役者絵等その範囲甚だ広し。余は「浮世絵の山水画と江戸名所」なる題名の下に聊か国芳の事を論じたればここには新着の西洋美術雑誌に出でたる仏人 Gaston Migeon の所論を掲ぐ。
「歌川国芳(寛政九年生文久元年歿)は国貞に優る事明かなり。国芳の描ける活気ある風景画の或物はけだしこの種類中の逸品たると共にまた浮世絵板物を通じてその最も偉大なるものたり。今 Rouart 氏の所蔵せる東都名所御廐川岸驟雨の図を見るに、前方に大なる雨傘さして歩める人物をして対岸の遠景と対峙せしめたる処奇抜なり。しかして遠景の大雨にかすみ渡れるさまは薄墨の描法真に驚くべきものあり。