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Japanische Klassiker mit Furigana

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えどげいじゅつろん

江戸芸術論

永井 荷風

Lesen Sie 江戸芸術論 (えどげいじゅつろん) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.130 Zeichen · 167 Bildschirme

Aozora Bunko

第三巻に男は屏風引廻したる夜具の上に起直り楊枝箱片手に草楊枝を使へば、半ば開きし障子の外の縁先には帯しどけなき細面の女金盥に向ひて寝起の顔を洗はんとするさまなぞ、柔情甚だ忘るべからざる心地す。

余はこれらの挿絵につきて斯の如く無限の興味を覚えて止まざるなり。その理由は啻に男女相思の艶態に恍惚たるがためのみに非ず、人物と調和せるその背景が常に清洒なる小家の内外を描き、格子戸小庭子窓より枕屏風長火鉢箱梯子竈等に至るまで、貧し気なれど清潔にしてまた何となく楽し気なるさまを示したればなり。国貞の『田舎源氏』はその庭園台※(「木+射」、第3水準1-85-92)什器衣裳の佳麗を尽して、能く貴公子と仕女との遊興を描けるものとなさんか。国直が人情本の挿絵はこれに反して小ぢんまりとしたる裏住居の生活の余裕を描き示したるものといふべし。『梅見の船』巻七に挿入したる半次郎が猿寺の住家の図は、土佐派古画の絵巻物に見ると同じき方法を取り屋根を除きて上方より斜に家の内外と間取りのさまを示したり。家は腰高の塗骨障子を境にして居間と台所との二間のみなれど竹の濡縁の外には聊かなる小庭ありと覚しく、手水鉢のほとりより竹の板目には蔦をからませ、高く釣りたる棚の上には植木鉢を置きたるに、なほ表側の見付を見れば入口の庇、戸袋、板目なぞも狭き処を