Japanische Klassiker mit Furigana
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きせんのなかのちちとこ
汽船の中の父と子
小川 未明
Lesen Sie 汽船の中の父と子 (きせんのなかのちちとこ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.175 Zeichen · 9 Bildschirme
「この金貨は、西の国の金貨だ。この金貨は、東の国の金貨だ。この銀貨は、重い。しかしこちらの銀貨のほうは、もっと目方がある。」といっていますのを、子供は、そばで、ただ黙ったまま見ていました。
「お父さん、そんなに、金貨や、銀貨を、たくさんためて、どうするんですか?」と、子供は父親に向かってききました。
「おまえ、街へいってみれ、おもしろいことがたくさんある。きれいなものが、ありあまるほどある。これんばかしの金がなんの役にたつものか。もっと、もっと、金をためなければならない。」と答えました。
子供は、もはや、海の上の航海に飽いていました。なぜなら、青い波と青い空のほかには、なにも見ることができなかったからです。そして、暴風の日は、小さな汽船が、木の葉のように、波の間にひるがえり、灰色の、ものすごい雲が、あたりを包んで、まったく、生きている心地がなかったからでありました。
しかし、父親はまだ航海をやめようとはしませんでした。
ある日のこと、二人は、知らぬ港に船を着けました。そこには、諸国の人々が集まっていまして、珍しい話をしたり、また類のまれな品物などを出し合ったりしてながめていました。