Japanische Klassiker mit Furigana
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「ちんもく」のはなし
「沈黙」の話
豊島 与志雄
Lesen Sie 「沈黙」の話 (「ちんもく」のはなし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.184 Zeichen · 13 Bildschirme
或は懇願し、或は威嚇し、或は訓戒し、とにかく、話術の蘊奥をつくして説く。
その間、某君はただ黙然と坐っている。煙草を吹かすか窓外に眼をやるだけで、返事も碌にしない。そして最後に、相手が饒舌り疲れた頃になって、漸く口を開く。
「君の云うことはそれだけですか。」
相手は眼を白黒する。或は、これだけ云えば分るでしょうとか何とか、まあ答える。それへ疊みかける。
「只今、あいにく金がないんだ。この次にしてくれ給え。」
そこで、相手は言葉つきて、仕方なく引退ってゆくのである。
このてで、某君は借金取り逐返しの名人となった。一言も弁解の口を利かないというのが、その骨法なのである。沈黙を守っておればこそ、只今あいにく金がないという最後の一言が、件の予言と同じく、必定な真実となる。真実の前には、如何なる債権者も引退るの外はあるまい。
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アルメニア地方に伝わってる民話には、沈黙のうちに一国の外交が処理されるものさえある。
むかし、或る国王のところへ、隣国から使者が来た。国王は大臣将軍等を左右に従え、玉座について、隣国の使者を迎えた。
ところで、この隣国では、饒舌を軽蔑するばかりでなく、嫌悪さえしていた。