Japanische Klassiker mit Furigana
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「ちんもく」のはなし
「沈黙」の話
豊島 与志雄
Lesen Sie 「沈黙」の話 (「ちんもく」のはなし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.184 Zeichen · 13 Bildschirme
そして一地方で消費された残りは、他の地方に送られる。大きな塊りになされて、その二塊で駱駝一頭分の積荷となる。それが次の土地に運ばれると、一個が人間一人で持てるくらいの大きさに分割される。そして其処で消費された残りは、また次の土地に送られる。部落の強健な男子が集って、塩の一塊を頭にのせ、隊を組んで出かける。長い熊手を杖にもっていて、疲れるとそれによりかかって休息する。そしてこの塩商の一隊は、或る大河の岸までやってゆく。
大河の岸で、彼等は頭から塩の塊りを下して、そこの草の上に一列に並べ、各自自分の塩塊にしるしをつけて、約半日行程ほど後退する。
大河の彼岸には、他の黒人が住んでいる。偉大な体躯で、眼が漆黒で大きく、その上唇は普通だが、下唇は厚く太く、顎のところまで垂れている。口の両角からは、牙のように長い歯が一本ずつ突出している。そしてその恐ろしい黒人も、体力を維持するために塩を必要とし、殊にその大きな下唇は、暫く塩を攝取しないでいると、暑気のために腐爛する恐れがある。
さて、こちらの塩の隊商等が、半日行程ほど退いて休んでいると、彼方の黒人等は、舟を操って河を渡ってくる。