Japanische Klassiker mit Furigana
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かはくれいじょう
河伯令嬢
泉 鏡花
Lesen Sie 河伯令嬢 (かはくれいじょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.763 Zeichen · 68 Bildschirme
八月の半ば、暑さの絶頂で、畠には瓜が盛の時だったんです。年は十七です。
昼の時は、まだ私という少年も、その生命も日南で、暑さに苦しい中に、陽気も元気もありました。身の上の事について、金石に他家の部屋借をして、避暑かたがた勉強をしている、小学校から兄弟のように仲よくした年上の友だちに相談をして行ったんですから。あるいは希望が達しられるかも知れないと思ったので。
つまり、友だちが暑中休暇後に上京する――貧乏な大学生で――その旅費の幾分を割いて、一所に連れて出てもらいたかったので。……
――父のなくなった翌年、祖母と二人、その日の糧にも困んでいた折から。
何、ところが、大学生も、御多分に洩れず、窮迫していて、暑中休暇は、いい間の体裁。東京の下宿に居るより、故郷の海岸で自炊をした方が一夏だけも幾干か蹴出せようという苦しがりで、とても相談の成立ちっこはありません。友だちは自炊をしている……だから、茄子を煮て晩飯を食わしてくれたんですが、いや、下地が黒い処へ、海水で色揚げをしたから、その色といったら茄子のようで、ですから、これだって身の皮を剥いでくれたほどの深切です。