Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かはくれいじょう

河伯令嬢

泉 鏡花

Lesen Sie 河伯令嬢 (かはくれいじょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.763 Zeichen · 68 Bildschirme

Aozora Bunko

何しろ、ひどい空腹の処へ、素的に旨味そうだから、ふうふう蒸気の上る処を、がつがつして、加減なしに、突然頬張ると、アチチも何もない、吐出せばまだ可いのに、渇えているので、ほとんど本能の勢、といった工合で、呑込むと、焼火箸を突込むように、咽喉を貫いて、ぐいぐいと胃壁を刺して下って行く。……打倒れました。息も吐けません。きりきりと腹が疼出して止りません。友だちが、笑いながら、心配して、冷飯を粥に煮てくれました。けれども、それも、もう通らない。……酷い目に逢いました。

横腹を抱えて、しょんぼりと家へ帰るのに、送って来た友だちと別れてから、町はずれで、卵塔場の破垣の竹を拾って、松並木を――少年でも、こうなると、杖に縋らないと歩行けません。きりきり激しく疼みます。松によっかかったり、薄の根へ踞んだり……杖を力にして、その(人待石)の処へ来て、堪らなくなって、どたりと腰を落しました。幹が横に、大く枝を張った、一里塚のような松の古木の下に、いい月夜でしたが、松葉ほどの色艶もない、藁すべ同然になって休みました。ああ、そこいらに落散っている馬の草鞋の方が、余程勢がよく見えます。