Japanische Klassiker mit Furigana
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かはくれいじょう
河伯令嬢
泉 鏡花
Lesen Sie 河伯令嬢 (かはくれいじょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.763 Zeichen · 68 Bildschirme
道を挟で、入口に清水の湧く、藤棚の架った茶店があって、(六地蔵は、後に直ぐその傍に立ったのですが、)――低く草の蔭に硝子の簾が透いて、二つ三つ藍色の浪を描いた提灯が点れて、賑かなような、陰気なような、化けるような、時々高笑をする村の若衆の声もしていたのが、やがて、寂然として、月ばかり、田畑が薄く光って来ました。
あとまだ一里余、この身体を引摺って帰った処で、井戸の水さえ近頃は濁って悪臭し……七十を越えた祖母さんが、血を吸う蚊の中に蚊帳もなしに倒れて、と思うと、疼む腹から絞るようにひとりでに涙が出て、人影もないから、しくしくと両手を顔にあてて泣いていました。
(どうなすったの。)
花の咲くのに音はしません。……いつの間にか、つい耳許に、若い、やさしい声が聞こえて、
(お腹が疼いんですか。)
少年たち、病気を見舞うのに、別に、ほかに言葉はないので……こう云ってくれたのを、夢か、と顔を上げて見ると、浅葱の切で、結綿に結った、すずしい、色の白い……私とおなじ年紀ごろの、ああ、それも夢のような――この日、午後四時頃のまだ日盛に――往きにここで休んだ時――一足おくれて、金沢の城下の方から、女たち七人ばかりを、頭痛膏を貼った邪慳らしい大年増と、でっくり肥った膏親爺と、軽薄らしい若いものと、誰が見ても、人買が買出した様子