Japanische Klassiker mit Furigana
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らんぷはくらいかあかるいか
洋灯はくらいか明るいか
室生 犀星
Lesen Sie 洋灯はくらいか明るいか (らんぷはくらいかあかるいか) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.053 Zeichen · 6 Bildschirme
田辺はこれには犀星驚いたかと亦念を押して云つた。これには全く驚いた。これで東京に来た甲斐があつたぞといい、中に人が住んでいるかねと尋ねると馬鹿と叱られた。それでは人が住んでいないんだと思うた。私は東京は西洋風とばかりおもい込んでいて、その感じのちがつていたのをこの塔を見上げて初めて訂正することができた。私はその塔のふもとに行き基礎の上まで覗きこんで見たが、夜眼にも苔が張つていることが分つた。
私達はすぐ塔の下から岐れた幾本ともない小路という小路、通り抜けられぬ裏通りが通り抜けられ、からだを横にしなければ歩けぬ裏路地を歩いた。そこには間口一間くらいの家がぎつしりならんでいた。哀れはここに続いた。千九百十二年代の不幸な女らはここに屯して夜昼となくはたらいていた。私達は明るい通りに出て、観音堂横のベンチの上に腰をおろしてしばらく憩んだが、私はいま見て来たばかりの光景の目まぐるしさに、なんにもいうことがなくなり、茫乎としていた。少しはなれたところにヴァイオリン弾きがいて、卑俗な小唄をうたいながら唄を刷りこんだ小冊子を十銭で売りさばいていた。洋灯は暗いか、あかるいかというような小唄だつた。