Japanische Klassiker mit Furigana
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じんだいしのけんきゅうほう
津田左右吉歴史論集
津田 左右吉
Lesen Sie 津田左右吉歴史論集 (じんだいしのけんきゅうほう) von 津田 左右吉 (つだそうきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.964 Zeichen · 229 Bildschirme
史家が過去の生活に対するのは、生活と生活との、人と人との、接触であり抱合であり渾融である。史家は過去の世界に生活し、その時代の空気を呼吸し、その時代の人と共に苦悩し歓喜し意欲し空想し、時勢を動かすに最も大なる力である漠然たる「時代」の空気とその動揺とを感知し、時と共に移り行く微細なる心理の変化をみずから体験する。この場合において最も必要なるは、史家の心生活に溌溂たる生気があり、その感受性の鋭敏なることであって、この点では、史家の資質には詩人のそれに同じきものが要求せられる。死せる史料を生かすとは自己の生活感情を史料に移入するの謂であるが、それはまた史料に潜む生活感情を鋭敏に感受することでもある。更に歴史の他の一面においてはどうかというに、上に説いた如き反省と考察とはその根柢に、自覚せられているにせよ、いないにせよ、史家の社会観、国家観、人生観、世界観がなければならぬ。ところが、かかる社会観、国家観、人生観、世界観は独り理性によってのみ形成せられるものではなく、単なる知識の所産でもない。それは史家の全人格の現われ、全体としての心生活の結晶でなければならず、従ってそれには意志も感情もはたらいているのであり、史家みずから当時の現実の社会を如何に観るか、その間に立って何事をなさんとするか、あるいはまた世を如何に