Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
この男は曾て英国に留学した事が有るとかで英語は一通り出来る。当人の噺に拠れば彼地では経済学を修めて随分上出来の方で有ったと云う事で、帰朝後も経済学で立派に押廻わされるところでは有るが、少々仔細有ッて当分の内(七八年来の当分の内で)、唯の英語の教師をしていると云う事で。
英国の学者社会に多人数知己が有る中に、かの有名の「ハルベルト・スペンセル」とも曾て半面の識が有るが、シカシもう七八年も以前の事ゆえ、今面会したら恐らくは互に面忘れをしているだろうと云う、これも当人の噺で。
ともかくもさすがは留学しただけ有りて、英国の事情、即ち上下議院の宏壮、竜動府市街の繁昌、車馬の華美、料理の献立、衣服杖履、日用諸雑品の名称等、凡て閭巷猥瑣の事には能く通暁していて、骨牌を弄ぶ事も出来、紅茶の好悪を飲別ける事も出来、指頭で紙巻烟草を製する事も出来、片手で鼻汁を拭く事も出来るが、その代り日本の事情は皆無解らない。
日本の事情は皆無解らないが当人は一向苦にしない。啻苦にしないのみならず、凡そ一切の事一切の物を「日本の」トさえ冠詞が附けば則ち鼻息でフムと吹飛ばしてしまって、そして平気で済ましている。