Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
「イイエ」
「それじゃア」
ト云いながら文三は部屋へ這入ッて坐に着いて
「昨夜は大に失敬しました」
「私こそ」
「実に面目が無い、貴嬢の前をも憚らずして……今朝その事で慈母さんに小言を聞きました。アハハハハ」
「そう、オホホホ」
ト無理に押出したような笑い。何となく冷淡い、今朝のお勢とは全で他人のようで。
「トキニ些し貴嬢に御相談が有る。他の事でも無いが、今朝慈母さんの仰しゃるには……シカシもうお聞きなすッたか」
「イイエ」
「成程そうだ、御存知ない筈だ……慈母さんの仰しゃるには、本田がアア信切に云ッてくれるものだから、橋渡しをして貰ッて課長の所へ往ッたらばどうだと仰しゃるのです。そりゃ成程慈母さんの仰しゃる通り今茲処で私さえ我を折れば私の身も極まるシ、老母も安心するシ、『三方四方』(ト言葉に力瘤を入れて)円く納まる事だから、私も出来る事ならそうしたいが、シカシそう為ようとするには良心を締殺さなければならん。課長の鼻息を窺わなければならん。そんな事は我々には出来んじゃ有りませんか」
「出来なければそれまでじゃ有りませんか」
「サ其処です。私には出来ないが、シカシそうしなければ慈母さんがまた悪い顔をなさるかも知れん」