Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

焦燥きッていると、気の抜けたころに、間の抜けた声で、

「お呼びなさいましたか?」

「知らないよ……そんな……呼んでも呼んでも、返答もしないンだものを」

「だッてお奥で御用をしていたンですものを」

「用をしていると返答は出来なくッて?」

「御免遊ばせ……何か御用?」

「用が無くッて呼びはしないよ……そンな……人を……くらみ(暗黒)でるのがわかッ(分ら)なッかえッ?」

二三度聞直して漸く分ッて洋燈は持ッて来たが、心無し奴が跡をも閉めずして出て往ッた。

「ばか」

顔に似合わぬ悪体を吐きながら、起上ッて邪慳に障子を〆切り、再び机の辺に坐る間もなく、折角〆た障子をまた開けて……己れ、やれ、もう堪忍が……と振り反ッてみれば、案外な母親。お勢は急に他所を向く。

「お勢」と小声ながらに力瘤を込めて、お政は呼ぶ。此方はなに返答をするものかと力身だ面相。

「何だと云ッて、あんなおかしな処置振りをお為だ? 本田さんが何とか思いなさらアね。彼方へお出でよ」

と暫らく待ッていてみたが、動きそうにも無いので、又声を励まして、

「よ、お出でと云ッたら、お出でよ」

「その位ならあんな事云わないがいい……」