Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
今打とうと振上げた拳の下に立ッたように、文三はひやりとして、思わず一生懸命にお勢の顔を凝視めた。けれども、お勢は何とも云わず、また向うを向いてしまッたので、やや顔を霽らして、極りわるそうに莞爾々々しながら、
「この間は誠にどう……」
もと云い切らぬうち、つと起き上ッたお勢の体が……不意を打たれて、ぎょッとする、女帯が、友禅染の、眼前にちらちら……はッと心附く……我を忘れて、しッかり捉えたお勢の袂を……
「何をなさるンです?」
と慳貪に云う。
「少しお噺し……お……」
「今用が有ります」
邪慳に袂を振払ッて、ついと部屋を出しまッた。
その跡を眺めて文三は呆れた顔……「この期を外しては……」と心附いて起ち上りてはみたが、まさか跡を慕ッて往かれもせず、萎れて二階へ狐鼠々々と帰ッた。
「失敗ッた」と口へ出して後悔して後れ馳せに赤面。「今にお袋が帰ッて来る。『慈母さんこれこれの次第……』失敗ッた、失策ッた」
千悔、万悔、臍を噬んでいる胸元を貫くような午砲の響。それと同時に「御膳で御座いますよ」。けれど、ほいきたと云ッて降りられもしない。二三度呼ばれて拠どころ無く、薄気味わるわる降りてみれば、お政はもウ帰ッていて、娘と取膳で今食事最中。