Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
と、文三は腫物にでも触られたように、あっと叫びながら、跳ね起きた。しかし、跳ね起きた時は、もうその事は忘れてしまッた、何のために跳ね起きたとも解らん。久く考えていて、「あ、お勢の事か」と辛くして憶い出しは憶い出しても、宛然世を隔てた事の如くで、面白くも可笑も無く、そのままに思い棄てた、暫くは惘然として気の抜けた顔をしていた。
こう心の乱れるまでに心配するが、しかし只心配するばかりで、事実には少しも益が無いから、自然は己が為べき事をさっさっとして行ってお勢は益々深味へ陥る。その様子を視て、さすがの文三も今は殆ど志を挫き、とても我力にも及ばんと投首をした。
が、その内にふと嬉しく思い惑う事に出遇ッた。というは他の事でも無い、お勢が俄に昇と疎々しくなった、その事で。それまではお勢の言動に一々目を注けて、その狂う意の跟を随いながら、我も意を狂わしていた文三もここに至って忽ち道を失って暫く思念の歩を留めた。あれ程までにからんだ両人の関繋が故なくして解れてしまう筈は無いから、早まって安心はならん。けれど、喜ぶまいとしても、喜ばずにはいられんはお勢の文三に対する感情の変動で、その頃までは、お政程には無くとも、文三に対して一種の敵意を挟んでいたお勢が俄に様子を変えて、顔を※らめ合た事は全く忘れたようになり、眉を皺め眼の