Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

、気が気に通じ心が心を喚起し決して齟齬し扞格する者で無い、と今日が日まで文三は思っていたに、今文三の痛痒をお勢の感ぜぬはどうしたものだろう。

どうも気が知れぬ、文三には平気で澄ましているお勢の心意気が呑込めぬ。

若し相愛していなければ、文三に親しんでから、お勢が言葉遣いを改め起居動作を変え、蓮葉を罷めて優に艶しく女性らしく成る筈もなし、又今年の夏一夕の情話に、我から隔の関を取除け、乙な眼遣をし麁匆な言葉を遣って、折節に物思いをする理由もない。

若し相愛していなければ、婚姻の相談が有った時、お勢が戯談に托辞けてそれとなく文三の肚を探る筈もなし、また叔母と悶着をした時、他人同前の文三を庇護って真実の母親と抗論する理由もない。

「イヤ妄想じゃ無い、おれを思っているに違いない……ガ……そのまた思ッているお勢が、そのまた死なば同穴と心に誓った形の影が、そのまた共に感じ共に思慮し共に呼吸生息する身の片割が、従兄弟なり親友なり未来の……夫ともなる文三の鬱々として楽まぬのを余所に見て、行かぬと云ッても勧めもせず、平気で澄まして不知顔でいる而已か、文三と意気が合わねばこそ自家も常居から嫌いだと云ッている昇如き者に伴われて、物観遊山に出懸けて行く……