Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うみからきたつかい

海からきた使い

小川 未明

Lesen Sie 海からきた使い (うみからきたつかい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 6.149 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、夜は、按摩のおじいさんの手を引いて町へもゆきました。

「おじいさん、寒い晩ですこと。」と、少女は、歩きながら、おじいさんに向かって話しました。

「ああ、早く、春になって、暖かになってくれるといい。」と、おじいさんはいいました。

木枯らしが吹いていました。そして、星の光が、ぴかぴかと、いまにも飛びそうに空に光っていました。少女は、じっと、星の光をながめて、ふるさとを思い出していたのであります。

春になりました。海の上は穏やかに、山には、木々の花が咲いて、野原には、緑色の草が芽ぐみました。ある日のこと、町の人々は、海の上に、不思議な景色が見えるとうわさしました。それは、蜃気楼なのであります。

「おばあさん、海の上に、不思議な景色が見えるといいますから、いってみましょう……。」と、少女は、おばあさんにいいました。

「ああ、いいお天気だから、おまえだけいってみておいでなさい。私は年寄りだから、歩くのがたいそうです。」と、おばあさんは答えました。

少女は、独りで、海へいってみたのであります。かぎりもなく、海原は、青々としてかすんでいました。太陽の光は、うららかに、波の上を照らしていました。