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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにふぐやまにわらび

海にふぐ山にわらび

北大路 魯山人

Lesen Sie 海にふぐ山にわらび (うみにふぐやまにわらび) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.318 Zeichen · 3 Bildschirme

Aozora Bunko

ふしぎなような話であるが、最高の美食はまったく味が分らぬ。しかし、そこに無量の魅力が潜んでいる。

日本の食品中で、なにが一番美味であるかと問う人があるなら、私は言下に答えて、それはふぐではあるまいか、と言いたい。東京でこそほとんどふぐを食う機会がないが、徳島、下関、出雲あたりに住んで、冬から早春の候にかけて、毎日のように、ふぐを食うことのできる人を私は真にうらやましく思う。

去る一月、私は陶土の採取のために九州の唐津へ、そして天然のすっぽんの研究のために柳河へ行った。その帰途、ちょうど下関の大吉でふぐを食うことができた。例によってなんの味もないようであったが、やはり、ふしぎな魅力をもっていた。白味噌の汁加減はあまり感心しなかったが、そこはふぐの助けである。決していやではなかった。

翌朝、眼が覚めるが早いか、もうふぐが食いたいと思ったが、都合で広島へ出た。広島と言えば、おのずと生がきを試みねばなるまい。生がきも日頃美味いものであるとしていたにもかかわらず、ふぐを食べた翌朝の口には、到底問題ではなかった。いかに生がきに満幅の好意を傾けて、食卓の上で、剥いては食い、割っては食おうとも、その味は遂に舌端だけのものであって、人の心魂に味到する底のものではなかった。