Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
「どうも済まなかった。ただいま」と叫びながら小倉はそこへ駆け込んで来た。
「どうしたい三上は」
「さては女郎買いをしやがったな」
「伝馬で帰ったのかい」
「うまくやってやがらあ」
各人が考え、想像していたことの最初の言葉が、彼のまわりに、桟橋から船に落ちる石炭のように轟然と、同時に飛びかかった。
小倉は、かいつまんで昨夜の困難な航海から、船長の態度から、三上の行為から、宿屋へ――曖昧屋とはいわなかった――泊まって、凍りついた服をかわかして、けさまでかわくのを待っていたこと、三上は、黙って、宿を先へ出て、宿の者へは一足先へ船の伝馬で帰るからといい置いて行ったこと。あわてて飛んで出て、波止場へ来たときには、もう三上は影も見えなかったこと。船長はどんな措置をとるか、打っちゃってはとても置かないだろうということなどを、簡単に、しかし要領を摘まんで話した。
セーラーたちは黙って聞いていた。そうして、三上が一足先へ出て、まだ帰って来ないということを、小倉ほどに心配しないのみならず、むしろそれをひどく痛快がった。
「いっそ本船へ乗って逃げたらおもしろかったな」などと茶化しさえした。