Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

波田と藤原とは、かわるがわる汗だくになりながら坂を上り上って、もう少し上れば、半島の頸部から、大洋の見えるほど、市街の高い部分へ上って行った。そこに公立病院があった。

三七

受付で、診察券を買って、外科の待合室で順番を待った。まるで、言葉の通わない国へ上陸したように、不案内であった。船の生活が、彼らを、だんだん陸上においては、不具者同様にするのだ。

白い服を着て、看護婦たちはいた。そして、美しいのもいた。けれども、波田の考えたような夢のような、女はとうとう見つからなかった。けれども、彼らは、ペンキのにおいの代わりに薬のにおいをかいだ。殺風景の代わりに、清い女の声が流れ、看護服の裳がサラサラと鳴った。薬のにおいの中に、看護婦の顔からは、化粧水の芳香が、蜘蛛の糸のようにあとを引いて流れた。

椅子には頭じゅう繃帯したのや、手を肩から吊ったのだのが、二、三人かけて待っていた。

そのうちに「安井さん」と呼ばれて、ボーイ長は二人に抱えられて、診察室へはいって行った。

「どうしたんです」医者はきいた。

ボーイ長は、かいつまんでけがをした時のようすと、痛いところとを話した。