Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
生きて行きたくなけや、こんな船になんぞだれが乗るもんか、畜生!」波田は、まだまだ言わなければならないことが、山のようにあった。あまり言うことが多くて、彼の言葉がスラスラと出なかったために、畜生! で爆発してしまった。
「だれが畜生だ! 失敬な」船長は、夢中になって立ち上がった。
扉口の外からは、罵声と足踏みとが聞こえた。「燃やしちゃうぞ!」と聞こえた。
私はこの「燃やしちゃうぞ」と言う言葉の来歴を話したいが、ごらんの通り今はとても忙しくて。
「そうではないか!」波田は立ち上がった。
「尊い人間の生命を等閑にしたのは、どいつだ! ボーイ長でも、父と母とから生まれて、人間としての一切の条件を、貴様らとすこしも異なるところなく、具備しているんだ! それだのに、どうだ! ボーイ長が負傷してから、一度でも、貴様は、彼のことを考えたことがあったか、貴様に、人間の生命を軽蔑することをだれが許したんだ!」
彼は夢中になってしまった。
「もし、貴様が、この上も、ボーイ長に対して、畜生の態度をとるなら、おれにも、覚悟がある! 貴様がボーイ長を見殺しにするなら、おれは……」とうとう波田は、その腰にさしていたシーナイフを引き抜いた。