Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
「あぶないっ!」と皆が叫ぶ前に、彼は、それをテーブルの上に、背も通れと突きさした。
「おれは、畜生に対して、人間として振る舞われないんだ!」
一座は、死んだように静かになった。扉の外の連中は、目ばかりになって、息を殺して成り行きを見張っていた。
「貴様は、権利を持っている。この地上には、むやみに多くの権利が、他の権利を蹂躙することによって存在してる。だが、船長、いいか」彼はテーブルを、今度は拳骨で食わせた。「人間を、軽蔑する権利は、だれもが許されていないんだ。また、他人の生命を否定するものは、その生命も、否定されるんだ! わかったか」彼は、そこにそのまま、すわることを忘れたようにつっ立っていた。彼はにらみ殺しでもしそうな目つきで船長を見据えていた。それは、まるで、燃える火の魂のように見えた。
ストキは、波田の突き刺したナイフを静かにテーブルから抜き取った。そして、自分の席の前に置いた。
船長は、ピストルを持って来なければならなかったが、そこを立つわけに行かなかった。彼は、初めて、彼が、ほとんど、歯牙にもかけなかった、低級な人間の中に、高級な彼をも威圧して射すくめてしまうだけの威厳を見た。