Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうすると、西沢のど助平め、何というかと思ったら『や、義理ほどつらいものは全くない。そして、そのつらい義理を守るのは貧乏人ばかりだ。義理を守るから貧乏にもなるんだ。私の家も貧乏で、ちょうどお前さんくらいの妹がある。その妹も、やはりお前さんのように、このつらい商売をして、私と一緒に信州の親たちに仕送っているんだ。私は妹からのたよりで、お前さんたちが、どんなにつらい境界を送っているかよく知っている。ま、年の明けるまで辛抱しなさいね。決して短気を起こしたりなんかしないでね』ってやがるんだ。畜生! ばかにしてやがらあ、そしたら女のやつしくしく泣きながら、『あんたのようによく物のわかった、親切な人はありゃしない。私は、あなたが私の兄さんのような気がする』といいながら、何かしていてあとは聞こえなかったが、今度は、西沢め、『おれもお前が、私の妹のように思えてならない』ってやがるんだ。それからはもうほんのコソコソ話になってわからんから、おれは障子に、指に唾をつけて、穴をあけてのぞいてやったんだ。そうしたらお前」と、三上一流の頭脳に映じた、その場の情景を、全くおおうところなく、すっかり、さすがの西沢もいたたまれないほどの、描写をもって、そこに再現してしまった。