Japanische Klassiker mit Furigana
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かいていとし
海底都市
海野 十三
Lesen Sie 海底都市 (かいていとし) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.118 Zeichen · 168 Bildschirme
大海底
僕は目を見はった。
大きな硝子ばりの窓を通して、眼下にひらける広々とした雄大なる奇異な風景! それは、あたかも那須高原に立って大平原を見下ろしたのに似ていたが、それよりもずっとずっと雄大な風景であった。鼠色の丘がいくつも重なり合って起伏している。それから空を摩するような林が、あちらこちらにも見える。
と、その林がとつぜんゆらゆらと大きくゆれるのであった。すると林の中から、まっ黒な颶風の雲のようなものが現われ、急行列車のようなすごいスピードで走る――と見えたは、よく見れば何千何万という魚群なのであった。そしてうしろの林、これは、ポプラの木に似ているが実はそうではなく、大きな昆布の林だということが分ってきた。
雲のような魚群が、左から右からとぶっちがい、あるいはとつぜん空から舞い下りて来るように見えたり、あるいはまた急にすぐ前の硝子ばりの向こうを嵐のように過ぎて、まるでトンネルの中へ入ったようにしばらくは何にも見えなくなることもあった。すばらしく活発な魚群だった。
大海底の住民は、魚群なのだ。
その大海底が、ふしぎにも月光に照らし出されたように、はっきりと遠くまでが見えているのであった。