Japanische Klassiker mit Furigana
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かいなんき
海難記
久生 十蘭
Lesen Sie 海難記 (かいなんき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.628 Zeichen · 56 Bildschirme
残っているのは、はげしい疲労と喉の渇きだけだ。だが水はすこしもない。みなひどい下痢に悩んでいる。
われわれはまだいいほうだ。仲間のあるものは沙漠で死に、また、いまなおそこで奴隷になっているのもいる。悲惨なのは、傭兵たちの運命だ。半ばは溺死し、残りは……」
一八一六年にサン=ルイから出された手紙は、すべて適法の削除を受けている。「ラ・メデュウズ一件」の記録は、このように故意に描かれなかった部分が残っていて、人の想像を薄暗い迷路の中へ誘い込み、結局はなにがなんだかわからないようにこんぐらからしてしまう。千八百年代の作家が、この事件の暗黒の部分と、変更の訳合いを究明しようと努力したが、たいして成功はしなかった。今世紀の中頃になって、何人かの歴史物語作家が、文献や手記の微細な陰影をとらえ、陳述の「言い違い」や無意識な発言を追究し、この事件の真相に近いところへ肉迫した。二世紀の間、闇の中に眠っていた事件の全貌が、はじめて明白にされたのである。
亜弗利加西海岸のセネガルといわれる広大な地方は、ルイ十五世の代にリシュリュウの送った探検隊が先占し、セネガル河口のサン=ルイ島とヴェルデ岬のダカールに拠点をおいて植民地を統治していたが、その後、先占の実効を喪失し、英国の支配を受けていたが、ナポレオンの没落後、一六一五年の平和