Japanische Klassiker mit Furigana
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きえたうつくしいふしぎなにじ
消えた美しい不思議なにじ
小川 未明
Lesen Sie 消えた美しい不思議なにじ (きえたうつくしいふしぎなにじ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 8.038 Zeichen · 16 Bildschirme
それは、ここからは見えないところです。
そこには黒い、黒い河が流れています。どうしたことか、その河の水は真っ黒でありました。河が真っ黒であったばかりでなく、河原の砂もまた真っ黒でありました。そして、その河は音もたてずに、また真っ黒な大きな森の中をくぐって、いずこともなく流れているのでありました。
空の色は、夜ともつかず、また昼ともつかずに、うす暗くぼんやりとしていました。ただ、ため息のように、風が吹いて、忍び足にどこへかいくのでありました。そして、そのところには、生き物というものは、なにひとつ動いている姿を見ることができませんでした。ただ河原を怪しげな女が歩いているばかりでありました。
いったい、この怪しげな女はなにものでありましょうか。年をとっているのか、また、そんなに年をとっていないのか、見ただけではわかりませんでした。顔も肩さきも、その長い真っ黒な髪の毛に隠れていてよく見ることができませんでした。
たまたま髪の毛の間から血の気のない顔が現れたかと思うと、ガラス球のように光った目が、氷のように冷たくあたりを見まわしていたのであります。
この怪しげな女は、灰色の着物を着ていました。