Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りんらく

淪落

林 芙美子

Lesen Sie 淪落 (りんらく) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.113 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

小山のような男はどうしても好きになれない。新宿駅のホームにはいると、ふつとわたしのそばに、きれいな女のひとが立つていた。灰色の背広を着て、茶色の大きいハンドバックに、同じ茶色の靴、お白粉も何もつけない顔は、日頃の手いれのゆきとゞいた美しいなめらかな肌で瞳は大きくてきらめくような表情だつた。何気なく通りすがる男たちが、その美しい女のひとに注意をむけては、ふつとわたしの方を見て、苦笑したような表情で通りすぎてゆく、わたしは何だか馬鹿にされたような気がした。――ホールへ行つて、仲間のひとたちをみると、新宿駅のホームで見たような美しい女は一人もみあたらない。あれは、わたしたちと違つて、たつぷりとした金持ちの娘に違いない。わたしは鏡をのぞきこんで、世の中のまともな女たちとはどこか違うことを感じた。わたしたちの様子はわたしたちの仲間だけで派手に目立つような化粧のしかたになつて来る。眼のふちに墨を入れて、唇いつぱいに紅を塗る。このごろはクリームのいゝのがないので、食用油を背中や脚に塗る娘もいて、天ぷら臭いのでいやがられる。わたしは、セロファンのように薄い服を着て、みるからに、昔、田舎にも来ていた事のあるサアカスの女になつたような気がしてくる。