Japanische Klassiker mit Furigana
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しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
Lesen Sie 深夜の市長 (しんやのしちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.982 Zeichen · 220 Bildschirme
の呼吸の下に生きている人間がこのT市だけで十万人もあるのです。その十万人は殆んど全部、夜のT市に棲息しているといってよろしい人種です。彼等にとっては、白昼のT市は、自分とはまるで関係のない世界なのです。夜のT市こそ自分等の本当の世界だと思っています。つまり彼等のT市に市長がいなくなったも同然です。その心配するのも無理ないです」
そういって速水輪太郎は僕を窘めた。
「そんなものかなア……」
「貴方なんぞに分らないも無理はないと思いますがねえ」と速水は薄気味わるい笑みを浮べた。速水が笑うのを見たのはこの時が始めてだったが、それはあまりにも無気味なもので、見ないに越したことはない種類のものだった。「で……、結局僕は一同の依頼をうけて、貴方のお帰りを待っていたのです。貴方は今夜『深夜の市長』と一緒に出掛けられた筈です。一体何時頃、何処で『深夜の市長』と別れたのですか」
「それは……目黒駅の前ですよ。時刻は午後八時十分ぐらい前だったと思いますよ。円タクの運転手が声をかけて、『川の向うでお探し申していました』なんていっていたが……」
と、僕は知っている通りのことを話した。