Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
Lesen Sie 深夜の市長 (しんやのしちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.982 Zeichen · 220 Bildschirme
「おじちゃんは、あたいのお父さんがいい人だと思う。それとも悪い人だと思う」
「さあ――どっちだろうね」
「鬼みたいな人だっていうのよ、母アちゃんは。鬼は人間を喰べちゃうのだってよ。あたいたちも見つかると喰べられちゃうかもしれないから、喰べられそうになったら、早く鬼を殺してしまわないといけないんだって……」
「ああ、もうそんな話はよそう。……さあ、酒場ブレーキはもうすぐそこだ。母アちゃんが来ているといいネ……」
ブレーキの前まで来ると、絹坊はうわーッとわが家の門へ辿りついたように、歓声をあげて、中へ飛びこんだ。でも彼女の母親お照はまだ来ていなかった。しかし絹坊はもうすっかり家へ帰って来たつもりで、例の白い瀬戸物の痰壺のところへとんで行くと、ちょこんと腰をかけ、顔馴染の誰彼の方を見てニヤニヤと歪んだ顔で微笑むのだった。――これで僕の役目は済んだようなものだった。だからそのまま僕はブレーキの前を立ち去ったのだった。
その足で、僕は築地よりの河岸ぶちに出て、そこに屋台を出している「錦斗寿司」の暖簾をくぐった。僕は寿司に眼がなかった。食慾がない今夜のようなとき、うまく腹を膨らませてくれるのは、この立ち喰いの屋台寿司に限るのだった。